お灸のはなし

東洋医学

お灸は、もぐさを燃やし体の特定のツボ(経穴)に温熱を与えることで、血行を促進したり、痛みを和らげたり、体調を整えます。

お灸の原料は主に「もぐさ」と呼ばれる材料です。もぐさは、ヨモギの葉を乾燥させた後、細かく粉砕したものです。粉砕したものから葉の部分を取り除き、繊毛(せんもう)という葉に生えた細かい毛を選別します。選別が少ないもぐさは黒っぽく燃焼温度が高めで、選別が多いともぐさは乳白色に近くなり燃焼温度が低くなります。ヨモギは、古くから薬草として知られており、抗炎症作用や血行促進作用があるとされています。

ヨモギ(蓬)

ヨモギ(蓬)は、キク科の多年草で、広く日本をはじめアジアの多くの地域に分布しています。人々の住む身近に自生するヨモギは、食用や薬用、さらには伝統的な療法にりようされてきました。 端午の節句にヨモギを使った草餅や団子が作られるなど、文化的な行事にも深く関わっています。ヨモギの葉や茎には独特の香りがあります。

お灸の種類

直接灸(点灸)

  • ひねったもぐさをツボに直接置いて、皮膚の上で火をつける方法です。火が直接皮膚に当たるため、温かさを感じやすいですが、やけどを防ぐために注意が必要です。

間接灸

  • もぐさを直接皮膚に置かず、間に台座、塩、みそ、枇杷の葉などを挟んで行う方法です。火が直接皮膚に触れないため、やけどのリスクが低いです。

棒灸

  • もぐさを棒状に成形したものを使用し、間接的に温熱を与える方法です。燃焼部分が肌から離れているのでやけどのリスクは低いです。煙と匂いが他のものより多くなります。自宅で簡単に行えることが特徴です。

お灸の効果

お灸は、もぐさを使ってツボに温熱刺激を与えることで、血行促進、痛みの緩和、リラクゼーションなどの効果が期待できます。また、ヨモギには体を温める作用があり、冷え性や体調不良の改善に役立つとされています。

このように、お灸はもぐさを中心に、自然の素材を使って体を温め、さまざまな健康効果を期待する伝統的な療法です。

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