風邪のはなし

東洋医学では、湿の「六淫(ろくいん)」という外的要因が体内に侵入すると、体調を崩すとされています。

風は、「外的病因」とされる六淫の中で最も代表的なものです。風の特徴は動きが速い、変化が激しいことです。このため、風邪(ふうじゃ)は急速に体調に影響を与え、症状が変わりやすいという特徴を持っています。

風は体内に侵入すると、発熱寒気頭痛喉の痛みなどの急性の症状、いわゆる風邪症状を引き起こすことが多いです。

風邪に関係するツボ

に関連する経穴(けいけつ)は、東洋医学において、風邪や風の影響を調整するために使用されるツボです。風は東洋医学で「六淫」の一つとされ、体内に外的な影響を及ぼす要因として理解されています。風による病気や不調を改善するために、風を追い出す、または風の影響を調整するツボが使われます。

以下は、に関連する代表的な経穴です:

1. 風池(ふうち)

  • 位置:後頭部、首の後ろ、髪の生え際に位置し、乳様突起(耳の下)のすぐ後ろにあります。
  • 作用:風池は、風を外に出す働きがあるため、風による頭痛や目の痛み、首のこり、耳鳴りなどの症状に効果があります。また、風邪や外的な風の影響を防ぐために使われます。

2. 風門(ふうもん)

  • 位置:背中、肩甲骨の下部、脊柱の両側に位置し、第2胸椎の棘突起のすぐ下にあります。
  • 作用:風門は、風邪が体内に侵入しないように守る役割があります。寒さや風による外邪(外的な病因)の侵入を防ぐため、風を外に追い出す作用があります。

3. 風府(ふうふ)

  • 位置:後頭部、髪の生え際の中心から1寸下、第1頸椎(頸椎の最上部)の下に位置します。
  • 作用:風府は風を発散させ、特に風による病気や不調(風邪や風邪の引き始め)を改善するために用いられます。風邪や寒さが体内に侵入するのを防ぐために刺激します。

4. 合谷(ごうこく)

  • 位置:手の甲の親指と人差し指の間にあるツボです(手背の第1・第2中手骨の間)。
  • 作用:合谷は風邪の初期症状に効果があるとされ、特に頭痛や発熱、喉の痛みなど、風邪による症状の改善に使われます。また、風邪の外出や発汗を促すためにも有効とされます。

5. 風市(ふうし)

  • 位置:膝の外側にあるツボで、膝蓋骨の上1寸外側、腸脛靭帯の前方に位置します。
  • 作用:風市は、風邪による筋肉の痛みやこわばり、また風が体内に入り込んで起きる症状に効果的です。特に関節や筋肉の痛みに使われます。中風(ちゅうふう、現在の脳血管障害のこと)の治療にも使われます。

風に関連する経穴は、風邪や風の影響で引き起こされる体調不良を改善するために使用されます。これらのツボは、風邪の初期段階や風による症状を緩和するため、鍼灸や指圧などの治療法でよく利用されます。風を追い出す、または風の影響を調整することで、体内のエネルギーの流れを整え、健康を促進します。

風がつくツボは首の後ろに多くあり、首元に風を当てないことが風邪予防に大事です。

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