施術用の鍼(はり)

鍼の種類

鍼にはさまざまな種類があり、用途や施術の目的に応じて使い分けられます。以下に代表的な鍼の種類を紹介します。

  • 金鍼(きんしん)
    金を使った鍼で、非常に細くて柔らかいです。金はアレルギーを引き起こしにくいとされ、体に優しい素材です。高価な鍼です。
  • 銀鍼(ぎんしん)
    銀製の鍼もあります。金鍼ほどは高価ではありません。銀もアレルギーを引き起こしにくい素材であり、治療に広く使用されます。
  • ステンレス鍼(すてんれすしん)
    最も一般的に使用されている素材の一つです。ステンレスは強度があり、細くて柔軟性もあり、腐食にも強いため、広範な治療に使用されています。安価でもあるためディスポ鍼(使い捨てのはり)に使われることが多いです。
  • チタン鍼(ちたんしん)
    チタンは軽量で耐久性があり、アレルギー反応が非常に少ない素材です。金や銀にアレルギーがある患者さんに特に適しています。

当院では、ステンレス鍼を使用しています。

鍼の形状と太さ

鍼は一般的に非常に細いものです。直径は数ミリメートルから数十ミクロン(非常に細かい)にわたり、太さや長さは治療する部位や施術者の技術によって使い分けられます。

  • 長さ
    鍼の長さは、使用する部位や目的によって異なります。たとえば、顔の美容鍼には短い鍼を使い、背中や足など広い範囲には長い鍼が使用されます。長さは一般的に30mmから90mmほどの範囲で選ばれます。
  • 太さ
    鍼の太さは、治療の深さや目的に応じて異なります。非常に細い鍼(0.12mmほど)から太い鍼(0.30mmほど)まであります。実物を触ってみるとかなり違いが分かります。

当院で使う鍼は、長さ48mm~60mm、太さ0.20mm~0.24mmのものを中心に使用しています。

鍼の刺入方法

鍼灸師が鍼を使う際には、刺す深さや角度、場所に細心の注意を払います。鍼を刺す方法や深さは、治療する症状や患者の体調に応じて変わります。

  • 浅刺し:浅い場所に鍼を刺して、軽い刺激を与える方法です。筋肉の緊張を和らげたり、リラックスを促進するために使います。
  • 深刺し:深い部分に鍼を刺し、特定の筋肉や経絡に働きかける方法です。慢性的な痛みや深い筋肉の緊張を改善するために用いられます。

使い捨ての鍼

現在、ほとんどの鍼灸院では使い捨ての鍼が主流です。使い捨て鍼は、衛生的に扱うことができ、患者に感染症のリスクを与えません。これにより、治療後に鍼を廃棄し、常に清潔な鍼を使用することができます。

まとめ

鍼施術用の鍼は、治療する目的や部位によってさまざまな種類やサイズがあります。一般的には、細くて柔軟な鍼が使用され、使い捨て鍼が主流となっています。鍼治療は、体調改善や痛みの緩和、リラックスなど、さまざまな健康効果が期待できる治療法です。治療中に痛みを感じたり、不安な点があれば、すぐにお知らせください。

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